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zoom RSS 機能的表現の問題点C

<<   作成日時 : 2007/03/02 22:16   >>

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機能的な表現を多用した請求項の例では、構造だけが記載されている構成要件の他に構造と機能が記載されている構成要件があります。どの要件にも構造が記載されているのですから、発明の構造が不明瞭であることを理由にこのような請求項が拒絶されることはないと思われます。但し、実体審査では機能が無視されることに注意して下さい。

ところが、侵害事件などの裁判では機能も考慮されます。構造と機能が記載されている請求項はここに問題が潜んでいるのです。

例えば、1行目には「An article for house interior」と記載されています。この家具と構造が全く同じ侵害製品が広告に「An article for house exterior」と銘打って堂々と販売されていたらどうなるでしょう。

「An article for house exterior」を室内で用いるかどうかは購入者の勝手です。

侵害が成立するのかどうかは分かりません。しかし、元々「An article」があって、それとの違いを示すために「An article for house interior」と限定しているのであれば、「An article for house exterior」は侵害にならないように思われます。

但し、審査便覧(MPEP 2111.04[R-3])の考え方を採用すれば用途は無視されますから構造が同じであれば侵害は成立します。

次に、構成要件を機能的に記載した次の例を考察してみましょう。


a bowed wall mounted upward on the upper side for defining a portional circumference around the flat plate at an appropriate height


構成要件「a bowed wall mounted upward on the upper side」は表現「for defining a portional circumference around the flat plate at an appropriate height」により限定されているのですから、どのような「a bowed wall mounted upward on the upper side」でも権利範囲に含まれるのではなくて「defining a portional circumference around the flat plate at an appropriate height」の機能を果たしているものに限定されます。

したがって、侵害製品の「a bowed wall mounted upward on the upper side」が別の機能を果たしていればそれだけでもう侵害は成立しないことになります。

例えば、侵害製品では「a bowed wall」が弾性を有しているので従来の製品に比べて座ったときの居心地が格段に良くなっていることが売りなのであれば、侵害製品の「a bowed wall」は発明の製品の「a bowed wall」とは機能が異なることになりますから、構造は同じでも侵害は成立しないことになります。

ところが、審査便覧(MPEP 2111.04[R-3])の考え方を採用すれば用途や機能は無視されますから構造が同じである以上たとえ機能が違っていても侵害は成立することになります。

ところで、この例では弾性により居心地が良いと言う効果が得られるのですから、構成が異なると解釈することもできます。すなわち、見た目の構造は同じでも材料が違うと主張することができるわけです。

但し、材料が違っていても構成要件は全く同じなのですから、侵害対象製品が発明に含まれることは確かです。したがって、材料を替えることに創作性があるのかどうかの問題になります。創作性が認められた場合には、発明とは構成が違うと言えることになりますから侵害は成立しません。

いずれにしても、機能的な記載は審査段階では無視され、裁判では限定要件として考慮されるのです。始末に負えない厄介者です。

この点で機能的な表現を初心者に指導することには問題があると筆者は考えています。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
このCには、「構造」と「機能」という2つ言葉が出てくるので、我々は興味をもって読み検討しましたが、投稿者が全く間違っていることが分かりました。MPEPの引用も的外れ、機能は審査で無視されるも間違い(米人特許弁護士へ問い合わせました)。投稿者は、@にある112.6の解釈が出来ていない。「機能表現」と 「機能表現クレーム」と「手段プラス機能クレーム112.6」が相互にどんな関係にあり、どの様に違っているのか、についても全然分かっていない。
結論として「・・機能的な表現を初心者に指導することには問題がある・・」と云っていますが、そう言う場合もあるかも知れませんが、Aにある藤吉弁理士の例文は初心者に向いた良い例文という点で、我々の意見は一致し、初心者ながら教えられる点がありました。投稿者は「尻拭い」という言葉で分かりますが、要するに、機能表現に対する自分の嫌悪感をぶつけているだけ。 「サメ荒し」です。
しかし、原点に戻って考えると、他のコメント提供者が既に述べている様に、初心者向けの例文は決して発表しないこと。困った結論ですが、やむ得ない。
外国特許研究会メンバー
2007/04/17 10:47

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